福福吉吉

ヘルボーイの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ヘルボーイ(2019年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
地獄で生まれた悪魔の子であるヘルボーイ(デヴィット・ハーバー)はブルーム教授(イアン・マクシェーン)に育てられ、超常現象調査防衛局で魔物退治に奔走していた。しかし、古き時代、キング・アーサーによって封印された魔女ニムエ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)を復活させようとするものが現れ、事態は混迷していく。

◆感想◆
「ヘルボーイ」(2004年製作)のリブート作品となっています。
前作を観ていなくても十分に楽しめると思います。

人類と魔物の戦争で封印された魔女ニムエの復活を巡る戦いを描いた作品となっています。ストーリーのテンポは良く、ヘルボーイ側とニムエ側が並行して描かれ、それが交錯しクライマックスに突入する流れは盛り上がりがあって良かったと思います。

ヘルボーイは見かけはかなりごついですが、心は純粋かつ繊細であり、この部分はリブート前から変わらない良さだと思います。本作では魔女ニムエから仲間になるよう誘われており、自身の運命について深く悩む姿が描かれています。しかし、育ての親のブルーム教授との関係性は薄れており、父から教えられていない部分が多く、信頼しきっていないように感じました。これはブルーム教授の見かけが若すぎて、父親としての雰囲気に欠けるところがあったためかもしれません。

本作のキー・キャラクターである魔女ニムエは強大な力を持ち、人類の騙し討ちにより封印された過去から人類への復讐を果たそうとします。演じているミラ・ジョヴォヴィッチの存在感のためか、主役であるヘルボーイを完全に食ってしまっており、本作のほとんどはニムエの印象が強く残っていきました。悪魔であるヘルボーイを人類を滅ぼすパートナーと意識しており、ニムエとヘルボーイのやりとりはとても面白かったです。

魔物が人間を襲うシーンはかなり残酷に描かれており、その部分では観ていて惨さを感じました。リアリティを持たせているのですが、苦手な人にはキツイ描写のように感じました。

アクション作品として及第点の出来だと思いますが、妙にストーリー全般にわたって暗さを感じるものがあり、その部分が本作の今ひとつ突き抜けない原因になっているように感じました。

鑑賞日:2023年9月5日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
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