KanameAida

ライトハウスのKanameAidaのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.5
素晴らしく気狂い!

行きつけの美容師さんにお勧めされて鑑賞。

A24とのことでどんなキチガイが出てくるのか胸躍らせながら鑑賞。

徹頭徹尾文学的文脈を映像に落とし込んだ印象で、キーワードも映像的伏線もあまり貼らず含ませず、鑑賞者に想像の余地を大きく与えている印象。

はたして、錯乱した主人公が見た白昼夢だったのか
実際、人魚がいたのか
前任者は灯台守に殺されていたのか
灯台の光源の中にあったものとは

神話的でラブクラフト的不気味さ、異形の神が別次元にいるような薄寒さを感じたが、映像だけ見るととんでもなくシュールギャグで馬鹿馬鹿しくて面白かった。

画角やカメラワーク、モノクロ演出なんかすこしヒッチコック味を感じた。

この作品は音響が素晴らしく、豪雨、荒波、機械音、蒸気音などが爆音で流れることでそこにいる感覚に陥らせる。モノクロ映像で視覚的制限をかけることで如実に音響に意識が向くような作りだったかもしれない。

私はとても好きな作品だったが、映画館の環境だったからこそ楽しめたと思う。
KanameAida

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