よー

教誨師のよーのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
3.6
公開当時から気になってたのに
3年も経っていました。。

とても重たい答えのない題材で
自分好みな感じでした。
(だから見たいと思ってたんだけど)

悔い改めるとか、更生とか、
難しいですよね。
わかんないもん実際。
人間なんかの考えていることなんて。

目に見えるもの、耳にしたもの、
そう言ったところで判断しても
間違いは生まれてしまうわけだし。
どんな些細なこともそうだけど
結局は当事者にしか本当のことは分かるわけなくて
その人の気持ちなんかも分かるわけなくて
人が他人を裁くって本当に難しいよね。
裁くのも、更生を見極めるのも。

相模原の事件がモデルであろう高宮が
教誨師の佐伯を論破するところは
お二人のお芝居も緊張感があったし、
それでいて高宮に反論もできなくてね。
“常識”とか“正論”、“正義”を振りかざしたところで
「そういうことではないよね?」
ってことが溢れかえっている世界な訳で。
正しさも間違いも誰の基準で判断されるものなのか。
曖昧な世界で生きてますよね。
だから面白いんだろうけど。

殺人と死刑。
その辺りの話も本当に答えがないというか
ぐわーってなってずーんとなりますよね。(?)

高宮がいろんな言葉で自分を正当化している姿を見て
高宮という架空のキャラクターとして
あたしはとても好感が持てたんだけど、
それと同時に高宮という人物に対する
理想の姿を抱いてしまってるんだなとか思ったりもした。

「こんな事件起こす人は絶対こういうヤツなんだ」

みたいな。
でも、高宮の本当の心の内なんて
本人以外の誰にも分からないわけで。
なんかこうやって人間は勝手に自分の中で
悪魔とか怪物を作り上げて、当てはめていってるんだろうなぁ。
と思って怖くなりました。
え、語彙力なさすぎて伝わってませんよね?←

教誨師の佐伯も、
教誨師というものを演じてるように思えた。
本当の佐伯なんて誰にも分からない。

「反省するべき」といいつつ
反省したかどうかの判断はできないから
自分の中の勝手な基準で
反省を認めたり認めなかったり、
本当に人間って面倒ですよね!!!
(それで片付けてはいけない話だと思う)

なんで生きるのかとかわからないし
自分的には最近
「いつか死ぬから生きてるんだよな」
とか当たり前なことを思ったりしてたのですけど
この映画的には
「生きているから生きるんです」とのこと。
難しいぜっ。

大杉漣さんをはじめとする
役者さんたちのお芝居が素敵でした。
芝居合戦でしかないもんね内容的にも。

大好きな玉置玲央さんが高宮を演じてて
やっぱりお芝居好きだなぁと改めて。
でも玉置さんは舞台で観たい役者さんでもある。
何度か拝見したけど本当に良いお芝居なんだ!よね!←
また舞台で拝める日を楽しみに🙏
よー

よー