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『教誨師』に投稿された感想・評価

もねこ

もねこの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

『教誨師』堀川惠子(講談社文庫)を読んでから視聴
原作ではないはずだが、内容は結構似ている 
個人的には本の方が好み

映画は教誨師と死刑囚の面会風景が人を変えてひたすら繰り返される
人によっては退屈を感じるかもしれない

人を真の意味で救うことは難しいかもしれないが、寄り添って一緒に穴を見つめる 
普段の生活から心がけたいものだ

演技力勝負の作品だったと思う
大杉漣さんがプロテスタントの牧師・佐伯役で、6人の死刑囚を担当する教誨師を演じている。

死刑囚が刑務所ではなく、拘置所の独居房で囚人服を着ずに生活していると初めて知った。
日本で死刑囚というからには、みんな再犯だったり、一人だけではなく何人も殺している筈だ。
この6人の死刑囚の中には、今裁判中の事件や、昔世間を騒がせた事件を思い起こさせる人物も数人いる。
きっと、独居房なのは内省させる為だとは思うが、ほとんどの死刑囚は自己中なので、普通の刑務所で作業や集団生活を送らせながら、死刑の日まで過ごした方が罰になるのではないか、と思った人物もいた。

私が特にゾッとしたのは、古舘さん演じるストーカーらしき男、鈴木。
彼は死刑が執行されたら、あの世で被害者女性と結婚するという。
そして妄想の中で、自分が殺した女性の家族たちも自分に謝ってくれたから、俺は彼らを許すのだと宣う。
こんな奴、死刑でいいんじゃない。さっさと死刑にしなよ!と思ってしまった。

死刑囚たちは独居房の中に長年居ても、自分の罪と向き合っている人間は少ない。
自分の辛かったことにだけに心を捕らわれていたり、
心を開いて話してくれているのかと思ったら、実は打算があったり、
自分をどれだけ上に揚げてんだと言いたくなる偏屈な者も居たりと、
自分の犯した過去を悔やんでいる者はほぼいない。

最初、サイコパスな死刑囚・高宮と接見するのは本当は苦手だった佐伯。
しかし、他の死刑囚たちとも話すうちに、自身の過去とも向き合い、牧師として説教するよりも、自分はただ死刑囚の穴を見つめるだけの人間である、という境地に達するまでを見せている。

原作は未読だが、教誨師をされている仏教のお坊さんのノンフィクションらしいのだが、映画の方は教誨師という設定だけで、完全オリジナルの脚本だと思われる。
だって、この作品を観たら、私は余計に死刑に反対する気がなくなってしまったから。
私には、他人の心の孔を見つめる、なんて無理だと悟りました。
egao

egaoの感想・評価

4.6
相変わらず最高の最後ですね。無駄に綺麗に終わらせなくていいんですよね。ほんとに。日常なんてそんなもんなんですからね
りどる

りどるの感想・評価

3.2
物語の展開としては正直イマイチ…
でも是非、堀川恵子さんの「教誨師」という本を読んで頂きたい。話ズレたけど、教誨師という仕事について知ってから、この作品をもう一度見て欲しい。
密閉された世界で、この先死ぬしか行き先のない死刑囚と、守秘義務に守られた教誨師という職業…これはたったの1時間54分で語るには語りきれないように思えた。大杉漣さんの演技力で、知名度としてはあげれたと思うがもっと深い意味があるのに、どうしてもそこら辺が伝え切れてない気がしてならない。
スズキ

スズキの感想・評価

3.3
これは映画向きではない話なのでは。9割が狭い部屋の中なので、映画の快楽がなかった。

次々と確定死刑囚が出てくるから、飽きなさそうなんだけど、掘り下げきれてないから同じ話をぐるぐるしてて、途中から飽きてくる。ずっとキャラ説明されてる感じ。

実はあの話は…みたいな展開も予想通り過ぎる。

玉置さんは良くて、これが次作につながったんだな、というのは見てとれた。

死刑の話とかももうちょっと説明して良かったような。

全体的に今見る意味が分からなかったというか、何かを更新してる感じはなかった。

大杉漣の遺作だったのか。
旧統一教会問題の最中に見ると、ちょっと見方も変わりますね…。
odyss

odyssの感想・評価

4.0
【死刑囚と教誨師の人間模様】

数年前に亡くなった大杉漣さんがプロデュース・主演した映画。
大杉さんは死刑囚の話を聞くキリスト教の牧師、つまり教誨師を演じています。

真面目に(?)キリスト教の洗礼を受ける人も出てきますが、おおかたの死刑囚はキリスト教を信じていません。

ならばなぜキリスト教の教誨師を指名して話をするのか。
この映画が優れているのは、そのあたりをちゃんと描いていることです。決してキリスト教のプロパガンダ映画に堕してはいません。

死刑囚の過去や性格は様々であり、教誨師を利用して減刑を・・・という食えない奴もいます。でも、世の中、そういうものでしょう。それもまた人間のあり方の一つですから。

牧師自身の過去も盛り込まれています。これによってこの映画の説得性が増しています。つまり、牧師自身もキレイゴトの人間じゃないということが明らかになっているわけですから。

だから、この映画、舞台は狭いし登場人物も多くないけれど、実は人間世界の縮図を映し出しているとも言えるでしょう。

死刑の場面も感動的です。

最後に優れた映画を世に贈った大杉漣さんに、合掌!
6名の死刑囚との対話、罪を悔い改め安らかに最期のひとときを過ごせるように彼らの話を聞き神の言葉を伝える教誨師を描いた作品。洋画では『デッドマン・ウォーキング』が同じような世界を描いていたが、コチラは6人のそれぞれ全く違った境遇とパーソナリティに振り回されつつも職務を忠実に果たそうとする教誨師が主役です。職業としてこういう仕事は絶対御免、他人の終末人生に責任負いたくない。あのお喋りオバサン誰だっけ?と思いきや『四季奈津子』の烏丸せつこ!時の移ろい感じるねー。静岡ローカルCM“パチンココンコルド”で有名な古舘寛治はいつも癖強い役柄。ニヒルで多弁で反抗的な若者役玉置玲央に惹きつけられる。主演大杉漣自らプロデュース&主演、役者としてはこういう静の中での感情表現求められる役って魅力的なんだろうな。
玉置玲央がとてもよかった。
ちょっとプロダクション方向から感想を。


この映画は会話劇で、会話劇ということは役者のレベルを白日に晒すことを意味する。
それも彼らは死刑囚と教誨師なわけで役不足はありえず、言い訳が効かない。要するに、役者の演技が完全に試される作品である。

で、6人の囚人と大杉漣が配置されるが「濃淡はある」な、とは正直感じた。

面白いのは役者7者7様、その仕立て・メソッドの違いだ。いちいちの内訳は割愛するが、総じて(日本映画お得意の)役者のこれ見よがしなオーバーアクトの領域には入っていない。そこは心底ホッとした。

低予算からの逆算なのだろうが、1時間絵がわりせず教誨室のシーンがつづく。これは正直キツいが、前述の役者演技が惨憺たるものなら、オレはこの映画を完走できなかっただろうと思う。

脚本では、実は肝心の教誨師が立体感に乏しく、この映画が「単調」に映る要因にもなっているが、音楽で言えば「メロディのない四つ打ちビート」であり、それはそれでオーライ・・かな・・甘めに言えば。
Sマックイーンの「ハンガー」を思い出した。


「原案」を監督のものとしているが、これは堀川恵子の傑作ノンフィクション「教誨師」の影響下にあることは、ほぼ明らかだ。随所に堀川恵子の「教誨師」から採ったものが散見する。よってオリジナルというには、ちと恥ずかしいぞ?、とオレは思う。むろん相模原のあの事件を入れ込み、最後のグラビアに込めたものはこの映画のメッセージだが。パクったらパクったとちゃんと言おうぜ?、なんて少し思うよ。

で、堀川恵子の「教誨師」から入ったオレとしては、ラストの絞首刑はちゃんと「原作」どおり冷徹に見せてくれ、と思った。
それと、これが「初」の執行であることに対して大杉漣が掘れてない。なんであんなに毅然としてるんだ? 初の執行だぞ?

もっと言えば、教誨を始めて数年の牧師、という設定を、この映画自体がラストにかけて「忘れている」ことが弱いのだ。よって牧師が「単調」に映るわけで、テーマを伝えるための「お飾り」に堕してしまっている。


なーんか歯切れ悪いレビューになってるが、佳い志の作品なだけに、もったいないとこがあるんですよ。そんな点を述べた。
それと日本映画だと関所が上がってしまうのはオレが日本人だからである。
よかった。ホームレスのおじいちゃんに洗礼をするシーンを見してくれて説得力が上がった感じがした。愛してるなんてトルコ風呂でしかか言われたことないよ~が宗教的愛との画一性が見られてそれが本来何を示しているかをくっきり見してくれる。若い女性の死刑囚がとの対話もあったら見たかった。
かほ

かほの感想・評価

3.8
普段見られない世界を見せてくれる
久しぶりにこんな解釈が難しいのみた
大杉さんがもういないんだなと思うと切ない
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