みらい

若おかみは小学生!のみらいのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
5.0
茄子シリーズの監督であり、ジブリで多大な貢献をしてきた高坂希太郎の11年ぶりの監督作品。

そして脚本は多くの大ヒット作を手掛けてきた吉田玲子。

とんでもないタッグによる近年希に見るとんでもない完成度のアニメーション映画だった。

原作は児童文学であり、キャラデザも低年齢層を狙っているように見えるが、ストーリの構成力と巧みさと重厚感は異常。

交通事故で両親を亡くし自分だけ生き残ってしまった主人公おっこは祖母が営む温泉旅館に住み込みで働き、旅館に住み着く幽霊、従業員、お客さん、同級生との触れ合いで両親を失った傷を癒やし、受け入れ、新しい世界を開いて成長していく物語。


子供達はきっとこの作品で頑張る主人公を応援しながら楽しく鑑賞すると思う。
主人公のおっこの些細な出来事への一喜一憂、彼女が流す涙、何をすべきか模索する懸命さ、多くの事に気付いていく成長。これを子供達はまだ理解しなくていいと思う。ただ彼女が懸命に生きている姿だけは目に焼き付けてほしい。
そして大人になって再度観た時、昔観た時に感じ取った物が何なのか分かった時、きっとその人にとってこの映画が宝物になると思う。
今作を子供時代に見れた人とても幸福だ。

完璧すぎるのに遊び心も感じられ、優しく切なく可愛らしいく老若男女皆が楽しめる素晴らしい映画。


家族も友人も恋人ずっと一緒にいられるわけではないから、だから別れの時まで共に過ごせる時間を大切にしなければいけないと、この映画を観て痛感した。
みらい

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