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ブラック・クランズマンのSのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.8
1970年代がこの映画の舞台になっていて、嘘でしょ⁈と思うほどのひどい差別が公然と行われている。でも残念ながらこれがフィクションの世界だけのものではないのを私は知っているし、同じような事件が2020年に日本でも広く報道されていたのも記憶に新しい。「アメリカファースト」はトランプ大統領の時に散々耳にしたし。

引くほどの差別発言を繰り返すKKKのメンバーだけでなく、対する黒人の活動家達も、「共存」は頭にない様子。お互いに強く憎しみあっている姿は悲しい。
そんな中で主人公のロンは、黒人だけど黒人の敵である警察官という立場で、しかもKKKへの潜入捜査も行って…という複雑すぎる立ち位置で奮闘する。そのロンの姿を、作品の重厚なメッセージからすると意外なほど軽快に描いているのがこの作品の大きな魅力だと思った。服装がオシャレでかっこいいし、フィリップとのバディも見ていて楽しい。
それでも最後に強いメッセージを提示してくるところは、やはりスパイク・リー監督の作品だった。アメリカの国旗が反転している意味を学んだ。この作品は過去の話ではなく今も続いている。
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