このレビューはネタバレを含みます
赤色が鮮やかで、やたら傷口を見せたがる映画だった。カメラアングルに拘りがあるようで、前後左右からの俯瞰的な描写が印象的で、蟻を何かのメタファーとして描写していたのも気になった。
登場人物の背景には一切触れず、殺し合いに徹していたのは振り切っていてよかった。ただ、1人目を殺してから傷を焼くシーン、足に刺さったガラスを抜くシーン、ラストの追いかけっこなど、尺稼ぎだと感じられるシーンがかなり多く、後半以降主人公のセリフがほとんどなくて、どういう心情なのかもよくわからなかった。
こういう結末が分かってしまっている映画では、ストーリーとは別にプラスαとなる要素が必要だと思うが、アクションがよかったとか、クライマックスが盛り上がったとか、そういったことがこの映画にはなくて、大体分かっているストーリーをなぞっていくだけで残念だった。
