zarije

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のzarijeのレビュー・感想・評価

3.6
「人間は出来ることよりできないことの方が多い」
出来る自分というイメージで膨らむ夢、
夢見るだけの時代をすぎて、実際に歩み出すと、意外に出来ない自分に気づく。
「出来る」つもりのイメージからの減点方式、
「出来ない」ところから一つ一つの「出来た」を積み上げていく加点方式。
スタートが人より恵まれていても、減点方式で考えると夢をあきらめるところまで追い詰められる。
出来なくてもともと、だからこそ夢のためには努力もすれば、人の手も借りる。お互いが精一杯同士なんだから、人に助けを求めればいいし、してあげられることがあればしてあげる。
お互い様、ただそれだけのこと。
それがフェアという事かもしれない。自分にアンフェアなルールを課すのは、意外に自分自身なのかもしれないと感じさせる映画でした。
臆面もなくヒトに頼って、
見苦しくても精一杯もがくこと、
その姿は命として美しいのかもしれない。



映画の中の迷っていた青年の姿が、
三浦春馬さんの姿に重なって見えてしまう。
現実には鹿野さんのような人と出会えなかったのかしら、と。
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