僕が生まれた1980年代後半の日本を描いている作品。ルーシーと禎司(ていじ)は、両方共に影のある感じがいい。
物語も全体的に静かなトーンで展開していく。
特にミステリアスな雰囲気を醸し出す写真家・禎司は、いわゆる今の地上波TVが描く目鼻立ちがパッチリとしたイケメンではなく、東洋的な男前(欧米がイメージする日本人なのかもしれないね)。
禎司「君と出会ったとき、心を開けると思った」
被写体として、普段から人間を撮影しないという彼はルーシーの何かに惹かれたのだろうか。それともあれはナンパの誘いだったのか。
ルーシーは禎司にのめり込んで行き、
殺したいくらいの嫉妬に掻き立てられていく。
wikiによると、
嫉妬は複合的な要素から生まれる感情で、個人が人間関係の領域において、
とても価値を置くものを失うことを予期することからくる懸念なんだそう。
バブルという時代背景、ほとんどの人が浮き足立つ中で、
他のそれとは違う禎司の存在感が貴重だったのかもしれない。
個人的に好みな作風とテンションでした。
余談ですが、アリシアさんが何度か木村文乃さんに空目しました。
それくらい日本に溶け込んでいた。