Fernweh

プライベート・ライフのFernwehのレビュー・感想・評価

プライベート・ライフ(2018年製作の映画)
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とてもデリケートな題材だけど、想像をはるかに超える明るさで描いてる。
年齢的にこの話題に目下直面する世代なので、浮かんでしまう顔もいくつかあった。公に言いながらやる人なんて多くない。どれだけたくさんの人が、悪いけどハッキリ言って、女性が、努力したり、苦しんだり、病んだりしていることか。
(もちろん複数回の女性の苦労を伴った上で、不妊の原因が男性側にあるとようやく判明するケースもあるだろうけれど。)

超高齢化・超少子化大国日本では、もっともっと切実に扱われていい話。何百周回遅れの話題で止まる国で、その人が欲する「幸せ」を手にできる人はどのくらいいるだろう。ありがちな「幸せ」を押し付けられて、「結婚しないの?」「子ども欲しくないの?」「まだ産まないの?」「産めなくなるよ?」「凍結してないの?」とか、極めつけに当然の条件かのように唱えられる「子どもは欲しい(◯人欲しい)」byトータリー無神経男性の考え足らずな無邪気コメント。

無邪気にそんな話をできた年齢は懐かしくもあるけれど、違う現実があることに、ひっそりと女性だけが直面していくことに、抱えていく不安に、一定のタイミングで気づくまともな大人であって欲しい、友だちなら。付き合う前の大前提条件だとか言うのであれば、また違う見方や出会い方なんだろうから、色々あることと思いますが。。

今たどり着いちゃったシーンの医者の発言もまた最低だな。本当に思ってなきゃ出ない台詞。どこまでいっても、女性は男性に所有されるもので、品定めされるもので、痛みを伴いながら命懸けで子どもを産む機械なんだな、と思うよ。

お主らが産んだらどうか。

鑑賞中の映画から脱線したくないけれど、体調の異変を感じている姪っ子が心配でたまらないよ。

そんで続いていくこの夫婦の生活がずっと前向きに幸せであったらと願いたいよ。

この後どんな結末になろうとも、広く、本当に広く、見られて欲しい作品でした。
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