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小さな恋のうたのeiksaaenkのレビュー・感想・評価

小さな恋のうた(2019年製作の映画)
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「映画の嘘」と言って飛躍させようとも、さすがに芸術内芸術の問題に無頓着すぎやしないだろうか。冒頭からクライマックスに至るまで散々聴かされたコピバンの拙い演奏となんら変わらないなという調子で、この人たちの音楽を聴いてなにかが動くという展開が作り手の都合にしか見えず、盛り上がるライブがいきなり薄ら寒い。
途中で主人公がシフトしていく構成は面白いと思ったけど、それにしては葛藤がヌルくて、特に行動してないのですべてが幼稚に見える。亡き兄の残した曲を演奏し続けることも、沖縄に生きていくことも、全てが軽く、表層的。芝居も沖縄も撮れてない。
まったく沖縄の女の子にはみえないけど、唯一山田杏奈だけが善戦してるように思えたけど、山田杏奈がすごいだけであってそれは演出の力ではない。ブリッジだけやたらと頑張ってたけど、映画の勘所ってそういうところじゃなくって、お兄ちゃんのライブを観てる妹のリアクションをキチンと撮ることとかだと思うんだけど…。
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