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RBG 最強の85才のHALのレビュー・感想・評価

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)
4.1
ドキュメンタリーのタッチ自体がアップテンポで世界を変えていこう!という意志と雰囲気を醸成しているかのよう。最初は「最強の85才」という邦題はどうかと思ったが、なにしろ映画がルース・ベイダー・ギンズバーグがトレーナーとともに筋トレをしている映像のカウントダウンから始まる。

「憲法は200年前の意味のまま読まれるべきである」という保守の権化ともいえるようなスカリア判事と仲が良かったというエピソードも面白い。夫婦のエピソードもそうだが、"正反対の人間である(かのように見える)こと"は何一つその二人が交じり合うことを妨げないのだ。

80代のルースへのインタビューと、当時の記録からルースの最高裁などの発言を交互に重ねていくが、この二つの声が、正反対なようで強い意志で繋がっており、何かを言葉で伝えようとすること、相手の理性に届くように発言することへの信念を感じた。ルースの言葉や、存在が「ノートリアスRBG」という愛称までついて若者の中で浸透していったのも、このルース自身の声があったからこそなのだ。「男性の皆さん、私たちを踏みつけるその足をどけて」という言葉は常に現在に向かって放たれている。
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