saki

search/サーチのsakiのレビュー・感想・評価

search/サーチ(2018年製作の映画)
4.5
PC画面上を映すのみという演出と、リアリティのある役者の表情や、緊張感のある演出が、しっかりハマっていて面白かった。

画としては当然変化が少ないのに、カーソルや文字打ちのテンポで雄弁に感情が伝わってきて、
決して飽きさせない、引力のある画面と、予測できない動きや伏線を絶妙に繰り出してくる展開。

ネットやマスコミや現代的人間関係の描写も、過剰に醜悪に描き煽るようなものではなく、まぁこんなもんだろうねと腑に落ちる、生々しさのラインが制作として誠実。


ここからはごく個人的な余談なのですが。
自分の父(最近在宅になったSE)と主人公が似ていて、更に大ウケしてしまいました。有事には近い動きしそうエクセルの表作りそう、顔も表情も何気に似てる。私の習い事も把握できてなかったっけ。


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‼️以下はネタバレです‼️
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主人公と犯人は表裏一体というか紙一重でもあるんだろうな。
犯人の夫は出てきませんでしたよね?別れたのだろうか。
どちらも仕事に真摯に取り組んでいて、行動力があり。子を想っているが分かり切る事などできるはずもなく。そうして罪を秘める子。
父娘に、母息子に。
物語上は明暗がはっきり別れたけれど、その違いは、何処かのひょんな分かれ道からだったのかもしれず。そうして立場が違えば、親としての行動の向かう先は、或いは逆だったのかもしれない。
勿論運ではなく、彼らが彼らであったが故ではあるのだけど、それでも。
早急に決断を求められる局面、我を失う強い情…。
それでも人は、間違えないようにしながら、間違えながら、
気付けた、間に合った僥倖に感謝しながら、幸運自体にも気付けたり気付けなかったりしながら、生きていく。
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