MikiMickle

リビング・デッド サバイバーのMikiMickleのレビュー・感想・評価

3.3
フランス産ゾンビムービー

人見知りなサム。元カノが間違って持っていった私物のカセットテープを取り返しにきたら、パーティー中。人にウンザリし、奥の部屋でひとりカセットを探すも、そこで眠ってしまう。朝目を覚まし、ドアを開けると…荒れまくった部屋。
世界はゾンビウィルスに侵されていた……
元カノのアパルトマンで、ひとり籠城するサム……

あらかじめ言っておくが、この映画はジャケとは全く違った趣なので、こういったタイプの世紀末生き残りバトル映画ではない(笑)
メインは籠城したサムのひとりでの生活。生存者も外界からの反応も無く、生き延びた男の話。

まず、パリのアパルトマンの建築様式を見るのが単純に楽しいかった♪
中央の螺旋階段と古風なエレベーター。屋上。それぞれの部屋。ワクワクする‼(余談だが、冒頭で階段までパーティーの人が押し寄せていたので、最初はどんな建物なのかちょっと混乱した。部屋の外までパーティーするとか近所迷惑甚だしいが、これがお国柄なのかしらw)。
一階に一部屋ずつあり、それぞれの部屋のインテリアや住んでいた人の個性が興味深くて、ほんと楽しい♪

サムはそれらの部屋を巡りながら物資を調達していく。食料だけではなく、娯楽品を集め、籠城生活を満喫していく。
これが、ものすっごく楽しそう……(*´﹃`*)
音楽作ったりとか……♡

そんな探索の中。ゾンビがいるのかいないのかのハラハラは抑え気味の中で見える、元住人の個性。
それが、非常に感慨深い……
人が残したもので感じる個性。
それは、生きた証でもあるけれど、それを愛おしむ者がいなければただの物であり、ゴミにもなる。なんだか孤独死やらの今の現状と繋げて考えてしまった…
一方で、その残したものは、だれかしらに何かしらのを残す事もあり……

そして、サムの生活を垣間見る中で、「生きる」という事について考えるところが多々あった。
生きる為に何が必要であるのかを……

多分私はサムと同じ様に生きると思う。そして、きっと同じような精神になるだろうなと思ってしまう。

けれど、声を殺 して歩む姿は、前半の伏線を踏まえてのもので、
閉じ込めていた己の殻をつき破るという成長の暗喩であったのだと思う。

多分好き嫌いの別れるであろうゾンビ映画。フランス産らしいなとも思う。
ポップで、アーティスティックな楽しさがありつつ、真の精神的状況を魅せる感じが、フランスらしい。良作。私は好きだな♪

ゾンビ映画って、もし自分がその状況だったら……と想像するのが楽しさの1つでもあって、その点で言えば、妄想度80点‼ この状況で私の家がそこにあるとしたら…… ( ´థ౪థ)ニヤニヤしちゃうぅ♡ だから、その点でも面白かったな♪ 妄想、妄想……♡

あ、ゾンビタイプは、走る・音に敏感。これと言って目立った特徴はないけれど、あるお爺さんゾンビ1体がキモにはなります♪
MikiMickle

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