「恋愛において、生きるにおいて大切なのは自分で自分を満たして愛し大切にすること」ということにここまで説得力のある映画ははじめてだった。
自分を雑に扱うと、自分を雑に扱う人やもの、出来事しか周りに残らないんだなって。
5周も先回りしてしまうテルコに共感はまったくできないばかりか何度もその執着心の強さに慄いたが、こうならないように、自分に向けた自戒という意味ではとてもいい映画だったように思う。
この映画では、相手に憧れを投影したり求めたりするんじゃなくて、自分が自分にとっての憧れにならないといつまでも幸せは手に入らないということがよくわかる。あまりに恋愛に陶酔し、テルコが自分を失うと目の前にある当たり前の幸せすら失ってしまい、そこからの転落模様は見ていて痛々しくて辛かった。
ただ、もしかしたらなりたい自分にはもうなれないと思ってしまうきっかけの出来事が過去にあったり、自力では今後いい人生を描ける自信がなくて、だからこそ「この人を逃すとそれが手に入らない」と思ってしまい人として好きか以前に理想の部分を持つ相手への執着がやめられないのかもしれないとも思った。
観終わった後、愛ってなんなんだろうなと考えてしまった。仲原には幸せになってほしい🥲
2021年31本目