ShintaroKurisu

愛がなんだのShintaroKurisuのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.2
原作は角田光代、監督は今泉力哉。
角田光代の「どうしようもない人間」に対する表現力は凄まじいものがあるし、今泉力哉が演出する「クズ男(女)」はリアルすぎて気持ち悪いレベル。つまり色んな意味で最強タッグではある。

終始ムカムカするし、そこには人間ならではの美しさというものは全くない。しかしながら人間誰しもが持つ「本能レベルの醜さ」という所にどこか共感が出来るというか、マモちゃんや葉子が独りよがりで都合がいい人間なのは分かりやすいけど、テルコも純粋で能天気なキャラクターに見えて、ただ一途にマモちゃんをモノにしたい、それだけのために動いてるし結果マモちゃんに振り回される。それってある意味「欲」に支配される人間ならではの性、醜さであると思う。

幸せとは、愛とは、ということをテーマにしているけど、僕はこの映画を通じて「自分との付き合い方」の正解ってなんだろうっていうことを考えさせられた。そして「欲に素直な自分」って意外と悪くないのかもしれないって思った。
ShintaroKurisu

ShintaroKurisu