パワードケムラー

モンスターハンターのパワードケムラーのレビュー・感想・評価

モンスターハンター(2019年製作の映画)
1.0
 80年代アクション映画&モンスター映画の再来といった印象で、頭空っぽにして観るポップコーン映画としては及第点だと思う。

 しかし、登場モンスターも少なく、登場しても原作無視設定だった。また、モンハン語しか喋れない有色人種を率いる英語を話す白人or外部から来た「白人の救世主」というキャスティングで80年代の映画観ているのか?って気持ちになった。登場人物は実質3人だし、山崎紘菜は空気だったし、アジア系や現地人は奇声を上げて殺されることで白人俳優を盛り上げるエキゾチックな存在であるなど、配慮も含めて全体的に足りない作品だった。

 このような演出はその後公開された『シャン・チー』でも触れられており、そこで主演俳優が語った「アジア系俳優がハリウッドで成功するといえば奇声を上げて白人俳優に殴られる役になることだった」というインタビューもあって、この差別的描写は非常に際立っている。その上、今作は日本初の作品でありながらアジア人差別のジョークで中国で炎上し、謝罪しているのだ。この点からも製作陣のアジア人への差別意識が垣間見える。

 近年のポール・W・S・アンダーソン監督といえば嫁のミラジョボのPV撮りたいがために、バイオハザードを利用するなどの嫁PV撮りたいマンの印象が強いが、今作では彼の潜在的な差別意識が炙り出された作品といえる。

 最後に一言。ポール、モンハンを穢すな。