Tomo

CLIMAX クライマックスのTomoのレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
2.5
何か落ち着いてしまったノエ監督!

今作も人間のモラルを狂気で挑んでるんだろうけどそういう意味では何かゆるい。

カルネ、カノン、アレックスは狂気による嫌悪感の中に意味があると感じたのに、本作はそういったものは感じなかった。

狂騒、という言葉がぴったり。ダンスは凄いけど、中盤以降はドラック浸りになって踊れ!叫べ!殺せ!とトランス状態の地獄絵図。

画面は赤赤赤赤赤、アングルを上から下から天地逆とクルクル変える映像でストレスはMAX。もう嫌悪感じゃなくて、単純に気持ち悪かった。

あと、冒頭に館から逃げる女性のシーンを映した後、オープニングクレジットが流れダンサー達のインタビューが始まり、ドラックについてのモラルを答えてるけど、それがこのストーリーの核心。だだ、だらだら長くてよく憶えてない。
 
それより、画面の左右に積まれたビデオパケが気になって。多分、ノエ監督がこの作品に影響を受けた作品ですね。右側の中段にあったHARAKIRIは小林正樹監督の切腹でしょう。で、多分あのシーンの参考になるんでしょうが、意味が違うでしょ!

懐かしいエレクトロニックダンスナンバー(SuperNatureがスタートなのには震えた!)の中、約10分続く長回しのダンスシーンは圧巻!でもここが僕には映画のClimax!になってしまった。

唯一、凄い奴がいます。IKKOさん風のいかつい金髪短髪の女性ダンサー。仕草は面白く、踊っても脱いでも凄い!失禁するほどに凄い!
そこはおもろかった!

モラルを狂気に変えるクスリはダメ、絶対!とノリピーが言いたかったのはよく分かる。

でも今回のノエ監督は、策士策に溺れるという表現がぴったりだと思いました。
Tomo

Tomo