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ドクター・スリープのminnのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
4.5
『シャイニング』原作既読、キューブリック版鑑賞済み、『ドクター・スリープ』原作未読(読んでる途中)の状態で鑑賞。一言で言うととても面白かった!

大人になったダニー(ユアン・マクレガー)は、結局あの父親と同じような飲んだくれで癇癪持ちの男になってしまう。しかし、新しい町に引っ越して良い友達と職場にめぐり合い、禁酒を続けることができていた。そんなとき、部屋の黒板に強力な「シャイニング(輝き)」の力を持った少女からのメッセージが書き込まれるようになる。

このアブラという少女は、輝きをもった子どもたちの命を吸い込むことで何百年も生き長らえている真結族に狙われており、彼らからアブラをいかに守るのかが大筋のストーリーとして描かれている。途中1人の少年が真結族の犠牲になるシーンがあるのだが、それがめちゃめちゃショッキングで怖すぎて泣いてしまった(ガチ)。あれはあかん……。ITもそうだけど、スティーヴン・キング本当に子どもに容赦ないな。

オチの付け方は、『シャイニング』の原作とキューブリック版をまとめたような感じで、少し切ないけどこれはこれでありだなと思った。泣けた。ホテル怖い。父親は男らしさの呪いに負け、その怒りを不当に妻や子どもに向けたが、ダニーはアルコール依存症患者たちの集まりに出向き、同じように苦しむ人との暖かな関わりのなかで回復していった。人に弱味を見せることを「女々しい」ことだと退けず、辛いときは他の人に助けを求めていいんだと気づくことが、マチズモという呪いと決別する唯一の手段だと感じた。キューブリックの描きたかったことをうまくこの続編にも落とし込んだなと感心した。
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