ムーミンママの夏休み

マチネの終わりにのムーミンママの夏休みのレビュー・感想・評価

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.8
ギターの調べとラストシーンの余韻が心に残る。言葉では言い表せないものが通じ合う人と出会ってしまったら惹かれ合うしかないだろうなあ…と思う。ソウルメイトのような存在だろうか。そんなふたりが福山雅治さんと石田ゆり子さんだなんて…
入り込めないと薄っぺらく感じてしまうかもしれないけれど、天才クラシックギタリストと国際ジャーナリストのふたりにはモデルとなったふたりがいるとのこと。
抑制のきいた大人の恋愛のもどかしさも感じるけれど、年齢を重ねた分そう簡単にはリセットできないものがある。ふたりの間を裂く存在がインパクトがあるけれど、許せない気持ちよりも、そういう愛し方しかできない人もいるんだろうなんて思ってしまうあたり自分も大人になったんだなあ…と感じる。
とにかくクラシックギターの調べが美しい。それだけでかなりのプラス要素。クラシックギターがもうひとりの主役。この映画の世界観をつくっている。曲目もいい。テーマ曲「幸福の硬貨」もいい。パリやニューヨークの風景も美しい。「未来は常に過去を変えている」というセリフが印象的。
ラストシーンもいい。絵の質感も好き。
原作はもっと重層的に描かれているので、原作の下地があるかないかとでイメージの膨らみが違うかも。