スベン

15年後のラブソングのスベンのレビュー・感想・評価

15年後のラブソング(2018年製作の映画)
4.7
私の毎日ってこれでいいのかな?
そう思いながら代わり映えのしない日々を送る主人公アニー。
これはきっと社会人なら誰でも考えてしまうこと。そんな彼女の考えや生活にはすごく共感できる。
悪くもないけど良くもない恋人。アニーのちょっと疲れた表情と愛想笑い。通販で明るい色のワンピースを買ってみたり…とかなりリアル。
恋人も、好きな過去のアーティストにのめり込み部屋中にポスターやコレクションを収め、サイト経営まで…というファン活はリアルにあるあるすぎて笑ってしまった。

仕事、家族のこと、恋人のこと。考えだしたらキリがなく、いつの間にかしがらみとなって蓄積していく。安定は時にマンネリと化し、後悔さえもできなくなってくる。それが自分の今までを否定するようで怖いからだ。

そんな時に出会った元ミュージシャンのタッカー。
決して善人の人生を歩んできたわけでもなく、失敗し後悔の人生だっからこそ、ある意味では柔軟でフリーダム。
二人の距離の縮め方は今風だけど、赤の他人だからこそ話せる悩みというのはよく分かる。
そして、文章化することで冷静に自分の考えもまとまり、本心に気付くこともできる。

恋愛映画というよりも、主人公の成長の物語でした。「アバウト・ア・ボーイ」の原作者と同じと知って納得です。一歩踏み出す勇気や再出発を後押ししてくれます。
等身大の主人公を演じるローズバーン、素敵でした!観てよかった〜!

元ミュージシャン役のイーサン・ホーク。ドンピシャというかこんな役が本当に似合う!人生に失敗したダメ男だけど、どこか憎めないっていう…
腹出てたり笑、白髪があったりするのにかっこよく素敵なのはさすが。息子くんとの姿は微笑ましい。
若い時の姿(かなりかっこいい)から歌う姿まで…色んなイーサンが観られるのも嬉しい。

いや〜でもアニーのあの恋人は…
ファン活以前の問題では。あれだったら私の失われた15年…と思ってしまうのは仕方がないかも。。
スベン

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