タカヤスオオイナ

泣くな赤鬼のタカヤスオオイナのレビュー・感想・評価

泣くな赤鬼(2019年製作の映画)
4.4
重松清先生原作。読んだことは無かったが、短編集の中の1編とのこと。とても良い内容だった。堤真一、柳楽優弥、川栄李奈の絶妙な演技に特にグッと来た。昔は監督として甲子園を目指し「赤鬼」とまで呼ばれた熱血教師だったが、今ではその情熱も萎えて、別の高校で日々無難に監督を続けていた。そんな時に病院の待合室で、熱血時代に退部し、高校まで辞めてしまった元生徒と再開する。その才能は、期待して熱血指導するほど離れていった。他にやり方が有ったんじゃないか。当時は、何よりも甲子園という思いで家族すら犠牲にしてしまっていた。今、彼の隣にはお腹を大きくした可愛らしい奥さんがいる。複雑な気持ちで会話をして、その日は別れた。
そして後日、その若い奥さんが一人で訪ねて来た。目に涙を浮かべて「お願いがあります。」
話の筋がとても良く、他の重松先生の作品にも漂う空気感をスクリーンに描いていたと思う。感動した。