牛乳瓶の底

mid90s ミッドナインティーズの牛乳瓶の底のレビュー・感想・評価

4.0
この映画を見ると昔兄の部屋から勝手に
CDを持ち出してよく怒られたことを
真っ先に思い出した。

まだ携帯電話も持っていなくて
SNSもサブスクも無かった時代
学校から帰った後の唯一の楽しみは
兄の部屋から勝手に持ち出したCDを聴くことと
父の書斎にある漫画を読むことと
自転車で中古のCDと本を買いに行くことだった。

今は携帯1つで聴きたいものや読みたいものが
すぐに手に入る。

お店に行かずとも好きなものが買える
とても便利な時代になった。

昔の音楽も映画も小説も漫画も
昔と変わらないまま楽しめる。

家庭環境があまり良くなくて
兄貴のことが怖くて
スケボーに没頭する少年の
平凡な映画かもしれない。

でも便利になった今公開することに
意味があると思う。

僕にとっては少なくとも
単なる古き良き時代だったんぜ的な映画では
なかった。

買ったCDをプレイヤーに入れて
自転車で帰りながら見た夕日を思い出させてくれた。

いつでもどこでも情報にまみれていて
手間が無くなった今も変わらずの
その手間を大事にしたいと思う。

データも便利で最高だ。
でもページをめくる楽しさや
盤面を触るモノの質感を大切にしたい。


「もっとディグりなよ。お前変わんなくていいよ。」
デジタルもアナログも関係ない。

公開日すぐに友達からLINEがきた。
「スケボーやらない?」
そういうことなんだと思う。

熱中時代はまだ続く。
すぐ飽きてもそれはそれで良いと思う。

そんな時代もあったねと〜♬

あったね
ではなく
あるんだよ今も
それはお前次第なんだよ

って言ってもらった映画だと
僕は勝手に解釈する。
牛乳瓶の底

牛乳瓶の底