映画人間

太陽は動かないの映画人間のレビュー・感想・評価

太陽は動かない(2020年製作の映画)
3.2
序盤のアクションシーンはなかなか邦画では観られない高度なレベルで、流石制作会社ロボットと思えるようなクオリティーだった。しかし良い点は正直そこしか無かった。まず回顧シーンが多すぎるし、現代との切り替わる箇所も謎だった。説明も全く無いし、現代だけだと予算や脚本の関係で尺が持たないから、無理やり長めに撮ったとしか思えず、現代とトンマナも合わず、ただただ無駄なシーンが続いた印象だった。そのため現代では邦画の中では一際クオリティーの高いアクションや海外ロケのシーンが続くが、この回顧シーンによってリズムは狂ってしまい残念だった。また現代のシーンにおいても、海外ロケを大々的に訴求しておきながら、結局はブルガリアばかりで撮影をしており、世界観が小さく、アメリカの大作(ミッションインポッシブルや007シリーズなど)と比べると、歴然とした差を感じた。アクションシーンに関しても序盤は素晴らしかったが、徐々に力の入りようが低下しており、序盤でのクオリティーを最後まで保てないのが邦画のアクション作品らしいなと思った。撮影できる技術はあるのだから、あとは最後まで飽きの来ない脚本がとにかく大事だと思え、邦画の可能性を感じつつも、やはり厳しさを感じざるを得ない作品だった。
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