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ROMA/ローマのreephanのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.7
ネットフリックスのオリジナル作品って劇場公開することを前提としては作られてないのかな。アメリカとかではどうなんだろう?映画館で公開を前提としないのならどんなモチベーションで映画撮ったりしてるんだろう。自分がネットフリックスを利用していないからあんまり立ち位置がわからないけど、すごく良かった。
白黒なんだけど、わたしの想像する昔の白黒映画のようなぱきっとわかれた色ではなくなんかもっと繊細というか白から黒までの色味が多くてきれいだなぁ!とオープニングから思う。生々しい話だけどそう見せないというか、ほんと人生みたい。
メキシコの金持ちっぽい家で住み込みで働くのお手伝いさんのお話。

人生の二面性というか対比が続く。きらびやかなものと汚いもの、愛おしいものと憎たらしいもの、守られてる場所と危険な場所、亡くなる命と誕生する命…でもそれがしあわせと不幸せということではないというか。相反するものがあるなかでそんなことをもろともしないお手伝いさんクレオとこどもたちの交流、とまたこれも対比であくまでもお手伝いと踏み込まない雇い主たち。
印象的な海でのシーンのように、人生も寄せては返し、荒れてるときもあれば凪いでるときもあり、いい人もいれば悪い人もいて、なんか帳尻、合わせてんだなと思う。
クレオは自分の気持ちを爆発させたりいつもできない、けど、させなきゃいけなかった。そうじゃないともたないもの。見ていてとても安心した。穏やかなようだけどずっと不安定だったから。そしてそうじゃないと帳尻合わないよ…
静かな映画(いや、そうでもないかな?)なのになんかすごく揺さぶられたー。
語り手の愛を感じる。

あとでなんかの記事で読んだら、監督がインディーでつくって買い手が付いてなかった作品だったんだ!
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