センター分けのましゅちゃん

永遠の門 ゴッホの見た未来のセンター分けのましゅちゃんのレビュー・感想・評価

3.8
永遠の門/ゴッホの見た未来
2018年度、第75回ベネチア国際映画祭
コンペティション部門で男優賞を
受賞したウィレムデフォーが
名画家フィンセントファンゴッホを演じ
彼の後半生を描く伝記映画。
【story】
パリで自らの作品が
なかなか評価されない画家のゴッホは
画商である弟テオに支えられながら
絵と共に毎日を送っていた。
ある日、自分と同じ志をもつ
画家ゴーギャンに出会った彼は
彼の助言により南の地アルルへと
身を移す。
しかしアルルの地でも
自分の作品や自分自身が
受け入れられない毎日に孤独を
感じながらも、
筆を取り続けるゴッホ。
そんな彼のもとに弟テオの手引きで
親友ゴーギャンが訪れてくる。
ゴーギャンと共同生活を送りながら
制作活動を続けるゴッホだったが...
【review】
2年前に彼の弟テオを語り部に
彼の晩年を描いたアニメーション作品
「ゴッホ最後の手紙」が公開され、
世間がゴッホに再びスポットライトを当てた。
2年の月日を得てついに
ゴッホ自身から彼を描く伝記映画が
公開となったわけだが、
今作は「ゴッホ最後の手紙」と
並び立つ名作になったと感じる。
一般的な知識として曖昧でも
ある程度知られてしまっている彼の姿を
再び描くには作品としてのある程度の
工夫がいる。
前述のアニメーションでは
全編彼の作品をアニメーションとして
動かしてストーリーを描くという
試みがなされたが、
今作はゴッホ自身の視点から
彼の見ていた風景、人、絵を映し出す。
いわば今作のカメラは
ゴッホ自身の目となる。
彼が作品を描くシーンは
彼の目を通じて、
模写する対象物と
それを描く画用紙を
スクリーンに映し出すため、
単純な言い方をすれば
ゴッホの作品制作時の視界を
追体験する事となる。
彼が永遠の風景をもとめて
アルルの自然を彷徨うシーンも同様で
単調なピアノの旋律に
不器用に揺れるカメラワーク、
風に靡く稲穂や葉の擦れる音。
霞む視界の下半分にまで
細かい演出がなされている。
単調で退屈な映像の長回しに見えるが
これこそが
あのゴッホ自身が見ていた景色。
不必要な外部情報を一切削ぎ落とした
ゴッホの追体験そのものなのである。
"なにか"に猟奇的なまでに取り憑かれた
人間は、
そのものの持つ"底"
いわば真髄の境地を求める。
情熱さや探求心は
極めれば極めるほど
"狂気"へと落ちていく
可能性を孕んでおり、
常にこれらは表裏一体の関係性にある。
趣味や好奇心でそれを留められるのなら
情熱や探求で終わるものを
そうはしていられないものが
誰しも必ずある。
狂気や狂人と成り果て、
全てを生贄に捧げてでも
見てみたい"境地"がある。
ゴッホにとっては絵画がまさに
"それ"である。
劇中何度も「自分には描くことは
やめられない。それしかない。」
と言い続ける彼はまさに狂人であり、
名画家でもあったように思える。
友人ゴーギャンを誰より大切に
思いながらも、
彼すらも遠ざけてでも
絵画を求め続ける彼に
画家に限らず、
なにかに生涯を捧げる者達の真髄を
見た気がした。
人生は種まきの時期であって、
収穫の時期ではない。
という彼の言葉が
彼の人生を物語る。
ぜひ劇場で。
【評価】
ストーリー☆☆☆
演出☆☆☆☆
映像・迫力☆☆☆☆
BGM☆☆☆☆
上映時間☆☆☆☆
総合☆☆☆☆(4)/5
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