まこやん

ゾンビランド:ダブルタップのまこやんのレビュー・感想・評価

3.6
改めて、ゾンビという装置は優秀だなと実感できる本シリーズ。


以下勝手な解釈
ロメロから続く流れとして、人間の本性を白日に晒すゾンビ物の伝統は、ロメロ没後、時代遅れになったのか?(個人的にはランドオブ、、がピリオド)

そんな中、映画クリエイターたちは様々な角度でゾンビ物を撮ってきたが、本作のテーマは引き続き『家族』

レッドネック、無個性オタク、詐欺師と社会の除け者、みんな大事なものを失って、集まり、家族になる。
オバマ大統領誕生の年、アメリカがテロ戦争に疲弊した辺り。社会の混乱のさなか、やっぱり家族が大事だねという話。

そして本作が撮られた2019年はアメリカが分断されたさなか。トランプ支持の保守派と知識人達の断裂がアメリカを襲っていた。

ゴリゴリ保守派レッドネックであるタラハシーの対比で登場した平和主義ヒッピーたち。彼らの扱いから、この映画を作った人達のメッセージを感じられた。

色んな人達がいて、それぞれが大事なものを大事にしていく世界も捨てたもんじゃない。それがゾンビランド=ゾンビの国だ。

そんな説教臭いメッセージを、娯楽に昇華できるなんて、ゾンビもまだまだ捨てたもんじゃないでしょ?

ね?

ゾンビ映画なんてばっちいわ、なんてアナタ。キモーイなんて言いながらでいいから、ゾンビランド、そして本作、騙されたと思って見てみてください。
まこやん

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