とんちん

37セカンズのとんちんのレビュー・感想・評価

37セカンズ(2019年製作の映画)
3.8
身体障害者の青春と成長がテーマのヒューマン映画が好きな方にオススメ!

脳性麻痺により手足に障害を抱え、車椅子での生活を送るユマ。
彼女は友人のゴーストライターとして漫画を描いていたが、自分で仕事を掴みたいと思うようになり、ある編集者を訪ねる。
そこで良い漫画を描くためには実際に自分で経験することが必要だと告げられる。
これまで彼女には母親がずっと側についており、自由な暮らしができないユマだったが、未知の世界へと飛び出すことを決意する。

子供が成長するに連れて抱くようになる自立心の表現が見事。
ユマの繊細な心境の変化が、彼女の行動の一つ一つに上手くリンクしている。
障害者が題材になっているので、その方たち特有の悩みもあるが、それ以上に共感できたり理解できる部分が多かったので純粋に楽しめた。
主観的に見るとなんで分かってくれないとか思うけど、こうやって客観的に見るとこの頃の親と子の距離感の難しさが分かる。

主人公の女の子が本当に障害を持っているというのには驚き。
この映画にかなりマッチした声、そして演技が良かった。