水

楽園の水のレビュー・感想・評価

楽園(2019年製作の映画)
3.3
どんな話か、一言で表すのが難しい。

12年前の少女誘拐事件と同様の事件が起きたことで、村の様子が変わる。

12年前の事件で、少女がいなくなったとして、捜索する村の人々をみると、まさに理想の村に思えるが、その事件で芽生えた"罪の意識"や"なぜ自分だけ生きているのか"という思いが、次の事件につながる。

この映画は誘拐事件の犯人が誰であるかなんてそんなことはどうでもよくて、1つの事件を機に、人々の心情がどうなるかを村社会の習わし(?)と共にずっしり重厚に描いた作品。

柄本明さんの
"あいつが犯人だと言ってくれ"
が全て。犯人が捕まらないと、自分の中で区切りをつけられない。そのときの気持ちは救われない。

村の人々の心の中の"楽園"を維持するための、残酷な行為が2つの事件を通してずっしりくる。。。結局生きていくためには、どこかで折り合いをつけて楽園を探すしかないのか・・・

この映画の解釈の折り合いをつけるために犯人誰か気になる視聴者もまた、自らの"楽園"を求めているのだろう。

それにしてもこの映画の構成、ほんとに演技派の俳優固めないと成立しない笑
綾野剛と杉咲花ちゃんと佐藤浩市だから成立したな〜。

この映画の最後に上白石萌音ちゃんの歌は明るすぎるので、手嶌葵あたりを採用してほしかった(願望
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