たまちゃん

楽園のたまちゃんのレビュー・感想・評価

楽園(2019年製作の映画)
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吉田修一さんのファンです。原作も2度読んでいて、二つと物語をどうやって結びつけるんだろう、ってずーっと楽しみにしていました。

冒頭に長閑で伸びやかな田園風景が映りますが、そこで起きる出来事は陰惨で切なく、閉鎖的な場所だからこそ起きてしまうのです。

主役の3人が素晴らしいです。杉咲花さんが行方不明になった女の子の友達、自分のせいで事件が起きてしまったのでは、と心を閉ざしたまま成長した紡役。全く関係のなさそうなふたつの事件、豪士と善次郎を結びつける大事な役回りを演じています。この人のこういう演技がまた観たい!

綾野剛さんの猫背で前のめりで内股な歩き方。思わず真似してしまいました。難しい、、、

善人で真面目にコツコツ生きてきた善次郎さんの絶望感。犬を可愛がる人に悪い人はいないよ。
閉鎖的な所で暮らすのは本当に大変だなぁ。

二つの関係性のない実話ベースの小説を本当に上手に繋げてまとめてあります。
豪士が早い段階で死んでしまいますが、そのあとの事件が起きる中でまた出てきます。
結局は最後の最後まで登場します。こういう構成とても好きです。

お母さん役の黒沢あすかさんがフィリピーナ?にしか見えなくてビックリ。怪演ですよね。
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