もらん

グリーンブックのもらんのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
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アカデミー賞をとったのも、スパイクリーが激怒したのもわかる。

主演2人の表情はとてもよかったし、個として向き合えば差別を超えられるとする美談もわかる、ただ、そうまとめるにはあまりにも構造的な暴力が未だ払拭されていない。
白人のヒロイズム的欲求を満たす「救い」の物語なのも、マジョリティの「美談」のために利用され消費されるマイノリティという構図じゃないのか。

警察の描かれ方が特に引っかかった。時流を鑑みてもなんとも思わなかったのだろうか。

個の美談としてまとめることは、マジョリティの「自分は悪くない」と問題から目を逸らすのに非常に都合が良いことなんだろうなと、この作品を巡る反応から思った。
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