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グリーンブックのNanacomのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.8
最速試写会にて。

おっさん2人の8週間のロードムービー。
人種も地位も性格も正反対の2人が、長旅でわかり合っていく、という、ある意味、安心の予定調和です。
あっと驚く結末も待っていないわけで。

でも、安定の結末に向かうなかで、とてもとてもたくさんの気づきや教えが散りばめられていた。エッセンスの多い映画です。
黒人差別はいけない!!という単純なメッセージだけではなかった。
いやむしろ、私には、孤高のインテリ人vs.デタラメだけど愛される家庭人のストーリー色が強かった。

黒人ピアニストのドクの中にも、実は黒人差別があったんじゃなかろうか。自分だけは違う、という。
南部の場末の黒人バーで、初めて楽しく演奏するドクの笑顔がとてもまぶしかった。さまざまな思いが吹っ切れたのが伝わってきた。

さみしくなる前に自ら先手を打て、はよい言葉だなー。最後にそれを守ってくれたドク、感謝します。
手紙の話だったりフライドチキンだったり、随所に笑えるエピソードが仕込んであり、そのネタは何度も登場しては進化していき、繋がっていく。ほんと、エッセンスが多い!試写会帰りについフライドチキン、食べてしまった。

不条理な黒人差別に毅然と振る舞うインテリのドク。見ていてやりきれない思いと腹立たしさがこみ上げた。黒人発祥のJAZZをちゃんと聞いてみようとマジメに思った。

個人的にはトニーの生き方が羨ましかった。
マジメに頑張って戦って、凹んで迷ってつらくなったら、きっとこの映画に救われるときがくるだろうな。
シンプルだけど深い。く
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