epicurea

グリーンブックのepicureaのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.9
音楽は素敵だし、キャデラックもいい色だし、食べたくなるなるケンタッキーだし、
堅物音楽家と粗雑な用心棒のロードムービー、最高。

最近では珍しいくらいに白人目線寄りのこの作品に、スパイク・リーのやってらんねぇという気持ちも察するし、Dr.シャーリーの家族の「これは嘘のシンフォニー」という発言も、まぁそうなのかもしれない。

人種差別問題に限らずですが、世の中のものはすべて多面的で、どこから誰が何をどういう思いで見るかによって変わるもの。

『グリーンブック』も『ブラック・クランズマン』も『ビールストリートの恋人たち』も『ブラックパンサー』も、それぞれの作家がそれぞれの視点でそれぞれの役割を果たしているのだと思います。

Dr.シャーリー役のマハーシャラ・アリの、
「(黒人である)スパイク・リーやバリー・ジェンキンスの映画は観に行かないという人もいるのが現実。その人たちは、(白人である)ピーター・ファレリーの映画なら笑わせてもらえるだろうと思って観に行くかもしれない。そして実際に爆笑させられ、でも、思いもしなかったことを考えることになるかもしれない。そこには価値があると僕は思う」
という言葉に深く深く頷く。
epicurea

epicurea