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グリーンブックのshinoのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0
黒人差別が色濃く残る時代のアメリカで、ニューヨークで成功している黒人ピアニストシャーリーがあえて、差別が厳しい南部へツアーに行く、というお話です。
運転手兼用心棒として雇われたイタリア系の白人トニーは最初は黒人差別をするタイプの人でしたが、一緒に旅をする中で考え方が変わっていきます。

途中畑仕事をする黒人労働者たちが、後部座席に座るシャーリーと車の修理をするトニーを見つめるシーン、私は「あいつ、黒人なのに白人を使用人として使っている」というふうに見ていたのかな、と思いました。あの中には、自分たちのおかれている状況を理解し、嘆きながらも、未来への希望を見出した人もきっといたはず。私はそんなふうに思いました。

黒人だけど、黒人の中からも外れて孤独を感じるシャーリーと、白人だけどイタリア系移民でギリギリの暮らしを生きるトニーはよっぽど黒いと喧嘩をするシーンも印象的。お互いを理解し合うために感情をぶつけ合うことって、本当に大切なことだなと思いました。

一見重いテーマですが、笑える要素もあり見ごたえのある映画でした。
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