たけまる

グリーンブックのたけまるのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0
アメリカで警察による黒人殺害が問題になってるこのタイミングでこの映画を見ると、60年代から(おそらくもっと昔から)根強くある問題の表面化なんだ、そしてそれがフィクションではなくリアリティーなんだ、という感覚は少なくとも理解できる。

「白人警察」による不当な取り調べの歴史的実在とか、それに対する黒人側の非暴力による主張という信念の実在だったりとか、また、っていう枠組みや構造があればこそ、そういった人種に関係ないユニバーサルな人の価値や生き様ってどういうものなのか、がすごい伝わる映画。

ジレンマも描かれてる気がしてて、信念に裏打ちされた暴力はいけないのか?っていう。それを表現しなくなると信念も弱くなる気もするし…。結論的には、こういうトニーとドクのような関係性というか、正しさと思いの表出としての暴力(暴力というか咄嗟の思いの表出)の存在と、一方で公にはそれは認められないんだという言語性・倫理性による牽制が混在する形で包含される社会が正しいんだと思う、個人的には。三島由紀夫じゃないけど。
(正しいかは置いといてこういうようなこと、という参照 http://rodori.hatenablog.com/entry/2014/04/09/160858)

最近思うけど日本の学校でよく朝やってる読書習慣並に、映画教育って良いんじゃないかと思う。言語外による学び(態度や生き様)ってめちゃくちゃ大事だよなーと。
そういう観点でもおすすめできる良い映画でした。
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