もか

フロントランナーのもかのネタバレレビュー・内容・結末

フロントランナー(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

75点

ジョン・F・ケネディ大統領の再来として、国民投票1位を獲得していたゲイリーという人物が本当にいたとは知らなかった。

浮気が気になされていなかった時代はもう終わり、国を統括する者の見られ方の意識をあげなければならない。

国を背負うというポジションは、プライベートにまで介入するな、とは言えない。

また、当時はなかったmetoo運動が発来した現代では、同じように今まで人気で愛されていた俳優やお偉いさんですらどんどん追い込められてしまう。

また日本でも浮気をした人物は、マスコミやSNSに吊し上げにされる。

そんな時代になった今でこそ、この映画から身に詰まるような思いで見る人もいるだろうし、浮気は人類の歴史上死滅しない出来事だと思うので、永久不滅な作品だと思う。

そして、何事も、リアクションだ、というのがこの映画から学べた。

自分の意見を貫き通し、瞬時に返す、大袈裟に演じる

だけど、妻の前では、さすがのゲイリーでも誤魔化しが効かない。
そんな人間らしい人情も細かく描かれていたと思う。

そしてなんといっても虚しかったのが、ゲイリーといわゆる関係を持ってしまったと記事に書かれ、報道陣にも巻き込まれてしまった娘。結局心を開いて語ってくれたのに、マスコミに追いやってしまった新聞記者側の娘。

彼女はただゲイリーという男を愛してしまっただけだし、娘としても、仕事を果たしただけである。

だけど、こうやって取り上げてしまわれるとなると、もう元には戻さないし、彼女は一生その重みを背負ってしまうんだろう。

ましてや、大統領になれるであろう人を、自分の責任で辞退させてしまったと、好きであればあるほど抱え込むだろうし。

その辺りは、どうしようも無く切なかった。

結末として、これどーなるんだ?どう巻き返すのか?と思ったけど、不倫をしてしまったのだから、なれるわけもなく。
あ、辞めてしまうのか、まあそうだよね。という結末。

あっと驚く展開ではないし、ジェイソンのこれまでの作品と比べたら、捻りや驚きはないが、
立場ごとの細かい感情と、さらには今回初挑戦の政治モノも描くのが上手かったなぁ、と感心。
もか

もか