福福吉吉

フロントランナーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

フロントランナー(2018年製作の映画)
2.5
1988年、民主党のゲイリー・ハート(ヒュー・ジャックマン)は大統領選に出馬し、最有力候補となった。しかし、彼にスキャンダルが発覚し、マスメディアはこぞってスキャンダルを取り上げ、緊迫した状況に陥ってしまう。

意気揚々と選挙活動を進めて調子づく展開から、あるきっかけから地方紙にスキャンダルを掲載されてから、一気に転落していく流れとなっており、リアリティはあるのですが、淡々と進むのみで傍観者として観てしまいました。

ゲイリーはプライベートと政治の能力は別であると主張し、間違いではないと思いますが、アメリカという大国の大統領になろうとしている人間にしてはあまりにも脆く感じました。ゲイリーがスキャンダルの話を一切聞こうとしない意固地な部分を感じましたが、これは自分の主義なのか、それとも逃げていたのかよく分かりませんでした。
時代として過渡期だったのかもしれませんが、現在のプライベートも簡単に報道される状況から見ると、甘いと言わざると得ません。

何より妻のリー(ヴェラ・ファーミガ)に対する裏切りという部分では一切の同情の余地が無いため、あまりにもゲイリーの主張は軽すぎました。妻・リーのゲイリーに対する一歩引いた感じがよく出ていて、ヴェラ・ファーミガの演技が良かったと思います。

誰にも感情移入することなく、ただスキャンダルというものの民衆受けの良さを感じました。作品としては可もなく不可もなくといった感じでした。

鑑賞日:2022年12月31日
鑑賞方法:BS/CS NHK BSプレミアム
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