このレビューはネタバレを含みます
自分を持っていなくて、求められている人物像になろうとする主人公。真っ白なキャンパスの状態で、何色にも染まれるところ、切り替えられるところがすごい。自分が無いから、すっと変われるんだろうな。
彼氏の人物像もコピーできてしまうところ、怖いなと思った。今まで演じていた人物像を捨てていって、彼氏のコピーまでも捨てなければいけなくなって、からっぽのガレージが残る。ガレージの演出好きだ。
最後、彼氏は主人公のことを描いていたと思うし、主人公は嬉しかったんじゃないかなと私は思うんだけれど、なぜ逃げていったのだろう。浮気のことも証言せずに消えることで、彼氏の中に綺麗な人物像を残したままでいたかったのかな。一緒にいたかったんだろうにな。器用なのに不器用で、生きづらそうな人。