とある探索者

いちごの唄のとある探索者のレビュー・感想・評価

いちごの唄(2019年製作の映画)
2.7
自分は銀杏BOYZのファンではないし、それどころかこの映画で初めて銀杏BOYZの曲を聴いた。

だからはっきり言うと、これで上映時間2時間は辛い。銀杏BOYZの曲を聴かせるくだりなどシーン自体は嫌いじゃないけど、あのくだりとそこまでの過程を描くことで余計に尺を増やしているとしか思えない。
そこまでの過程も描かなくて良いなら登場人物もある程度削れただろうし。
結局銀杏BOYZの曲は本筋である千日や伸二とは直接的な関わりがないので、どうも無理矢理入れたように感じてしまった。
『いちごの唄』というタイトルならせめて千日または伸二に聴かせるシーンが欲しかった。

あとは主人公のコウタ。彼は心的障害持ちと解釈していいんだろうか。発言や挙動がアヤしいだけじゃなく家族との会話もぎこちない。なんというかそこら辺が曖昧に描かれているので終始モヤモヤ。そもそも仮に主人公が心的障害持ちだとして果たしてその設定がこの作品に必要なのか...。
あと問題があったとすれば藤原竜也のような舞台上がりのオーバーな演技で一人だけ浮いていたことか。

そして物語の核である親友伸二の死。
そこを後半やっと回想で描かれたと思ったらあまりに唐突で雑すぎる死に方。まるでファイナルデスティネーション。
それにあのときの千日の距離と倒れ方からして、とても彼女が助かるようには見えないのだが。伸二のターボ自転車で相当な距離へ跳ね飛ばしたのかもしれないが、そのわりには彼女は無傷。丈夫だな千日。

全体的に要らない要素や描写、逆に省いてしまったことで違和感がある部分が多い。特に実家に帰るシーンは説明や前置きみたいなものが全くないので違和感が凄かった。