ギネス

華氏 119のギネスのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
3.6
マイケルムーア節が炸裂する何ともシニカルな内容。なぜトランプ大統領が誕生したのか。米国の根底にある問題から、この稀代の大統領誕生は、起こるべくして起きたと言わざるを得ない。劇中で民主党の闇を暴いていくが、企業のためではなく国民のために戦う人間が必要であるという言葉は心に刺さった。これを観ると民主党が抱える問題が自らの敗北を招いたと一因と言える。多様性は組織を活性化し、イノベーションを産むと考えられるが、民主的に物事を決めるとすると、そのために支払う高いコストは無視できない。そのコストをしっかりと払う気がないと民主主義なんて実現できないし、多様性のある社会なんて実現できない。それでもアメリカ国民のこの難題に真正面から挑んでいると思う。とてつもない社会の矛盾、差別、格差などが内在しているのでそんな簡単にうまくはいかないが、こうして闘っている人は日本にはあまりいない。
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