ホアキン・フェニックスの怪演は見事。
世に流れる評判、その素晴らしさや精神病質者を犯罪に目覚めさせる危険な因子を孕んでいるなど伝えられる所を事前に知り、
その点に関して、私などは特に後者に批判の目ではなく、悪の華が世界で咲き乱れる暗く淫靡な期待を持ってみてしまっていた。
確かに犯罪による自己実現と鬱屈とした日々からの解放は果たされるし、映画としてもスキのない見事作品であり、この作品を見て揺り動かされ行動する人もいるのだろうけど
過去の偉大な作品である小説ライ麦畑でつかまえて、映画タクシードライバーなどと比べる目線で見てしまうと
一段見劣りするんじゃなかという気になってしまう。
映画セブンで意図しない天候の気まぐれが
作品中の陰鬱とする雨模様とラストシーンの対比を生んだような神様の気まぐれが足らなかったのだろうか
それともハッピーの報われない前半生に、それを自分と置き換えるほどの痛みが自分から失せているんだろうか。
何か足りないその正体を開陳も出来ずに長々とそれを訴えてしまうのは恥ずかしい限りだけど
そこのところはおいおい考えます。
人によく見られたくて迂闊にオススメなんてできない男が
見て損しない作品との評価を込めて４点。
追記
もしかしたら、足りないのは狂えるものの恍惚かもしれない。
それはあくまでも個人的な好みや見解なのかもしれないが
悪の王子ジョーカーとして花咲く瞬間も喝采を浴びる時でも
依然としてハッピーがピエロのマスクの下にいるように感じる。
狂いの代償として得るあの恍惚、全能感、最高にhighな感覚
すべての物事は置き去りにして自分だけがグングンと進む感覚！
それがどこか欠けているような気がする。
うーん、どうかなまだ検討の余地あるかな
長々と読んでくれた方いたらありがとう
コメントほしいかも
