今さらすぎるが、ようやく『JOKER』を観ることができた。
正直詳しいわけではないので、DCコミックスのキャラでバットマンの敵だな程度の知識しかなかった。
なぜジョーカーがジョーカーになったのかという経緯には全く興味はなかったし、この映画が話題になった時も「盛り上がってるなあ」というくらいのもんだった。
ようやく観ることができたが、まあ夢中になって観ることができた。
もちろんど素人中のど素人の意見だが、ジョーカー役のホアキンさんの演技があまりにも巧すぎる。
不気味な笑い方、喜びの表情、怒りの表情、そして哀しみの表情。
どれをとっても目を離せないほどに細かな演技だった。
この演技を観れただけでも有意義だ。
ストーリーに関しては、ただただ不運の連続。絶望からのそれまた絶望。
人間はここまで不運になれるのか、というほどの不運のオンパレードだ。
正直、ここまで絶望的な状況であるとジョーカーが生まれても仕方ないなと、静観してる自分もいた。
今、世界中のどこかにジョーカーが生まれても全くおかしくはない。
もちろんジョーカーの行為は誉められたものではないだろう、しかしその行為の決意を生み出したのは間違いなく社会であり世間だ。
最後の方では、ジョーカーの行為によって大衆たちの不満がついに解き放たれるシーンがある。
ここまできたら、もう歯止めは効かない。
何よりも怖いのは大衆であり、狂気なのだと考えさせてくれるいい映画だった。
タクシードライバーや、この映画をふまえた上でのダークナイトを再び観たくなった。