るな子

ジョーカーのるな子のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
大号泣しました。出だしから辛かったです。「傷ついている」という主人公の心を視覚化された時点でダメでした。
胸が裂けるくらい主人公の抱えている気持ちが苦しかったです。主人公の気持ちが晴れているシーンでさえも息が詰まりそうでした。気が付いたら本当に息を止めていたので別の意味でも苦しかったです(?)元々客観的に鑑賞出来ない気質なのですが、それにしても主観的に見ていたと思います。この作品を客観的に鑑賞するの、無理なのでは…?
主演の方の演技もとても良かったです。こんなにジョーカーの気持ちを感じられたのは彼の演技が凄かったからだと思います。同じ「声を上げて笑っている」でもシーンによって表情や感情が全然違いました。フィクションの登場人物なのに命があるようでした。狂った後の彼が胸の内を吐露するシーンは涙の滲んだ彼の瞳を思い出して泣きそうになります。雰囲気で十分伝わりますが、言語化されるとやっぱり破壊力が違いますね。
脚本を彩る演出も最高だったと思います。特に一番最後の画面を右に左に横切る追いかけっこのシーン。過程を省いてそこだけ切り取ると作中で何度も出てきた「喜劇」のように見えるので徹底してると感じました。決定的なシーンを映していなくても見てる側が分かるよう最低限の情報をシンプルかつ印象に残るよう表現しているのも好きです。ジョーカーが踊りながら階段を降るシーンも好きです。「お前らには理解出来ない面白いジョークを思い付いた」と語るシーンで幼い…キリがないのでやめます。
万人受けするかと言われたら首を傾げます。しかし、それを押し退けてでも人にオススメしたくなる映画でした。とにかく凄かったです。こんな凄い作品を劇場で見られて良かったです。2回目はハンカチを忘れないようにしようと思います。
るな子

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