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ジョーカーのFoliaのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
バットマン史上最悪の敵ながら、目が離せなくなるほど魅力的な人。どうしてジョーカーになっちゃったか、なんて見る前から酷いんだろうなと覚悟していましたが、想像以上に悲しい人生です。それをホアキンフェニックスが、ぞっとするぐらい丁寧に演じきっていて、あっという間にエンドロールでした。神経症患者、哀しいピエロ、やさしい息子、恋する青年、父の面影を追う息子、狂気を知った化物etc.といろいろな顔がくるくる出てきて、階段でひとりで踊るぬるくて気持ちの悪い最低なダンスも、パトカーの上で群衆を煽るような、ダークヒーローが誕生した瞬間のダンスも、どこか可憐で品まで感じてしまう。ホアキンが、ジョーカーという役柄に対峙して極限まで突き詰め、築き上げたのが見て取れます。これで賞取らなかったら、もう何も信じなくなるかな笑 見ているのは苦しかったけれど、本当に素晴らしかった。あとはジョーカーの心情にリンクする音楽の使い方も素晴らしかったな。ただのサイコじゃなくて、アーサーの人生を描いた物語として観れました。

こんな人生歩んだジョーカーに、真逆から歩いてきたバットマンは苦戦するわけだ!と納得。妄想彼女にはちょっとびびられてブロークンでしたが、もうすぐしたら可愛いハーレイに会えるからがんばれ!
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