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ジョーカーのtokyowebtvのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5

IMAXで観ました。劇場の中央の席で。視界は完全にスクリーンの中でした。時々ロングショットでゴッサムシティの中の小さな存在としてアーサーが描写されますが、神の視点で観る事ができました。心が痛む。その臨場感は半端じゃなかった。クローズアップが多いこの映画はIMAX向きではない。しかしロングショットでもアーサーの表情がしっかり見れるからDVDでは味わえない彼の日常を共有できてIMAX効果はあったと思います。
彼の奇病に配慮する人間は皆無。意味もなく子供が笑っても人は一緒に微笑むだけで、怒りは覚えない。でも大人が意味なく笑ったら恐怖を覚える。不愉快に感じて笑う男に攻撃的になる。それが地下鉄の証券マン3人でした。
「子供の頃、俺はコメディアンになる!と言ったら笑ってもらえたのに、大人が言ったら受けなくなった。」
この映画で得た結論は、銃は殺人の抑止力にはなり得ないと言う事。殺人を誘発する凶器でしかないのだ、と言う事です。アーサーは自分に銃を与えた同僚を恨みます。そして銃以外の鋏で恨みをはらす。
IMAXで見る殺人シーンは強烈です。R-15ではなくR-18,R-21レベルでした。
映画としては名作です。アカデミー主演男優賞は取るでしょう。監督賞も。
しかし・・・銃以外の解決策を提示出来ない現実に拒否反応を示すクリスチャンは多いでしょう。アカデミー作品賞を与えてはいけないと思う米映画人は多いと思います。さて暴力シーンに慣れた日本の評論家は?キネマ旬報1位は間違いないと思います。バットマンシリーズをほとんど観ていない私にとって、この映画は風刺の効いた人間ドラマでした。全く退屈しない、心の痛む映画でした。彼の人生をIMAXで体験した。その苦しさ、悲しさは例えようがない。
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