sadie

にっぽん昆虫記のsadieのレビュー・感想・評価

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)
-
序盤はとんでもなく独特な世界観で始まります。目が点になるシーンが多々あります。
何度も「これ見ていていの?」「マジで大丈夫か?」と自問しながら見ていました。
映画は現実を映すものとはいったものだが、この映画はそんな定型句を軽く超越してますね。

あぁやっぱり幸福と不幸の差ってのは、生まれもった環境や若年期の経験が大きく影響してしまう。後で取り返そうと思ったって無駄足を踏むだけなんだなと。
一度も沼に足を踏み入れたら、もがいてももがいても抜けだせる保障などないのでは。

なんだかやるせない、少し見ていくのがダルくなってしまいました。

最後のシーンで母・トメがもがきながら山を登り、泥に足を踏み入れながら歩いていきます。対象的に、娘はブルドーザーでゆうゆうと山を超えていく。ひとつの時代が終る象徴的な出来事とも捉えることができるのでは。
sadie

sadie