ぎにょる

ハースメルのぎにょるのレビュー・感想・評価

ハースメル(2018年製作の映画)
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何だろう? 完全に他人事でしかないんだけど他人事に思えない感じがして良かった。刺さるとも違うし変な感じ。とある人気ミュージシャンの没落と再生と言いたいところだけど再生とも言い難い。特に前半の没落に関しては奇行に愚行の上塗りでそれをじっくりコトコト煮込んだ狂気として提出してるので見ててツライ、その後の再生や更生も信仰の対象が変わるだけで根本的な問題を解決したようには見えないのでサクセス的なカタルシスも無くただただ重い。でも、そのドラマツルギー的なドラマティックじゃない人生だからこそしんどくて何か凄く私には良かった。オカルトや呪術に傾倒してる時の言動が本当にマジモンぽいリアルさがあるのも好き。CDジャケットのデザインとして処理してあるエンドロールもめちゃくちゃ良い。

あと、あらすじにパンクバンドって書いてあるけどパンクではないです。オルタナでもないしパワーポップぐらいのニュアンスだと思う。コートニー・ラブが原型だけどホールでもなくスリーピースにしたのはニルヴァーナの面影だと思われるがバンドに関しては正直よくわからないので却ってベッキーの奇行だけが悪目立ちする形になってしまっていると思う。もっと内面に沿った音楽やバンドの方が良かったように思う。
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