なーちゃま

十二人の死にたい子どもたちのなーちゃまのレビュー・感想・評価

4.0
非常に評価が低い映画だけど、私はすごく楽しめた、面白かった。
まず、ミステリーの面について。少しずつ回収されていく伏線はなかなか見事だった。この点は素直に面白かったのでもっと評価されていいと思う。
次に、彼らの死について。クローズドサークル内で徐々に変わっていく一人一人の「死にたい」という思いと、死に対する認識。「彼ら自身の「死にたい」気持ちが薄っぺらすぎる、本当に死にたい人はこんな集いなどに来ない」という批判が多いけれど、それはもしかしてこの子達と同じくらいの年齢の時に「消えてしまいたい、死にたい」と“本気ではなく、ふと”思ったことがない人の意見なのかなと思った。ポイントは、彼らは「本気で死を願う」人々ではなく「ふと死を願った」人々なんだと思う。様々な悩みを抱えて生きて、その小さい肩にはそれぞれの悩みはそれぞれにとって非常に重かった。それをリセットする手段として、死をほんのわずかなきっかけで考えてしまった。その死がセンセーショナルに世に伝わることで自分の生きた証を残したり、復習を遂げたり、感じ方はそれぞれであるものの、集って集団自殺をすることに、青年なりに危険な魅力に惹かれてしまったんだと私は解釈した。
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