Takubo

十二人の死にたい子どもたちのTakuboのレビュー・感想・評価

2.2
Filmarks 試写会にて鑑賞。
当日つけた☆4から振り返ってみて☆3.6にしました!

一番の感想は、良くも悪くも映画を見る前と見た後で全然印象が違います。気持ちいい裏切りかどうかは見る方の期待の方向性次第かと、、、

登場人物の背景が徐々にわかっていく様子はとても軽快でした。原作ではさらに深く掘られていそうなので、読んでみたいです。

また謎解きや伏線の引き方もとても丁寧で、その世界に入り込んで共に推理していくような感覚が楽しかったです。自分なりに推理をするのですが、それが全然当たらない。あぁ、そういうことか!と一々興奮してました。また独特の緊張感は、40分近くの長回しによる効果だろうと思います。

またマイ役をやっていた吉川愛役の方のとてもナチュラルな演技が光っていたように感じます。
演出も若干堤節が和らいでいて、癖がない印象です。

今回はせっかく試写会に招待していただいたので、丁寧に感想をかければなと考えています。


以下ネガティブな印象を記載するので、悪しからず。

私は悪い意味で期待を裏切られた映画でした。宣伝の仕方はワザとあのようなサイコ感を出したのかもしれないですが、あのテイストの映画を求める鑑賞者のほとんどは落胆するんじゃないかな、、、と思ってしまいます。
内容も命を扱っている割には軽いです。堤監督のいい意味で重みの中に軽い要素があるとかではなく、単純に中身が薄いです。自殺の理由すら軽快というか、軽薄。ある意味、原作は本当に読んでみたくなりました。深掘りされた部分を知れば、物語も結末ももっと納得できるのかと思います。
なんか著作制限でも受けてるかのごとく堤節が削られてたのも寂しかったです。

あと何が一番気になったかというと、役者の演技です。割と演技派の役者で豪華だったのですが、ほぼ全員不自然でした。吉川愛さんは完全にギャルなんだなーと思いましたが、他の人はその役を演じている役者さんってイメージです。そりゃ役者さんなんですけど、映画の中では俳優さんが溶け込んでその役の人物になるのが大切かなと思っていて、この映画はそうはなっていない気がしてしまいました。
全体的に映画感が強くて、邦画の実生活で起こっているかも、起こりうるかも?!みたいな、リアルな感じがこの映画には無かったです。これは人による好き好きだと思うので一概に、悪い面ではないと思いますが、、、

とにかく、僕があまり好きではない部分もありましたが、謎解きは本当にワクワクしましたし、何より個人的には音楽が場面にピッタリ合って馴染んでいるのも見どころだと思いますので是非劇場でご覧ください!
飽きる時間は1分もありません!!!
Takubo

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