福福吉吉

居眠り磐音の福福吉吉のレビュー・感想・評価

居眠り磐音(2019年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
幼馴染の磐音、琴平、慎之輔は、江戸での剣の修行を終えて故郷に戻ったところ、善からぬ噂のために慎之輔は琴平に斬られ、その琴平を磐音が斬ることになった。親友を失った磐音は婚約者の奈緒を置き去りに脱藩し、江戸で浪人として暮らし始める。剣の腕を買われ、両替商の用心棒となった磐音は敵対する両替商の陰謀に巻き込まれる。

◆感想◆
親友や愛する人を失った坂崎磐音(松坂桃李)が浪人として江戸で悪党相手に戦うストーリーとなっており、外面上、穏やかな磐音が戦いのときに見せる鋭さのギャップが魅力の作品となっています。

ストーリー序盤に親友を失い、婚約者とも離れる展開が非常に重たいのですが、ここでの琴平(柄本佑)や慎之輔(杉野遥亮)のやりとりがとても良く出来ていて、緊迫感の満ちた空気の中で刀でのアクションシーンがとても素晴らしかった。また、琴平と慎之輔のキャラクターも良くて、この2人が序盤で消えてしまうのが勿体なく感じました。

その後、磐音は江戸に出て浪人として貧乏暮らしになり、温厚で穏やかな姿を見せます。このパターンは他の作品でもよくありますが、磐音が悲しい過去を背負っていながらそれを表に出さない姿は好印象でした。

両替商の今津屋の用心棒になってから、ストーリーが幕府の政治に関わる規模の大きな話に移っていき、それとともに磐音はただの用心棒というだけでなく、物事の本質を見抜いて対処する政治的な思考にも優れていることが明らかになります。ひたすら松坂桃李がカッコ良過ぎてつらいです。

一方、今津屋と敵対する両替商の阿波屋が現れ、磐音の命を狙ってきます。阿波屋の主の有楽斎(柄本明)の憎たらしい感じが敵としてとても良かった。これ以上ないくらい個性があふれていました。

磐音の剣術アクションのシーンは多いですが、圧勝するシーンは少なく、ほとんどがギリギリの戦いで勝ちながらも負傷するシーンが多いため、緊迫感が跳ね上がっていてとても良かったです。

とても面白い作品でした。2019年の作品ですが、続編を観たいです。

鑑賞日:2023年11月13日
鑑賞方法:日本映画専門チャンネル
(録画日:2022年10月19日)
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